視聴率は低かったようだけど、内容はそれほど悪くないと思う。
ただ、今の時代には受け入れられにくいって感じかな。
レゴリス社長の葉月と、彼を取り巻く三人の女性、社内の人間模様を描いているんだけど、社内の権力争いと、恋愛模様の同時進行だったから、「ロングバケーション」のイメージでいると、裏切られた感があるかもしれない。
木村拓哉さんの役も、冷酷非情なワンマン社長と木村拓哉さんとのイメージが重ならない感じはあった。
ビジネスでは冷酷非情なのに、恋愛となると、はっきりした態度を取らない。
中国で見つけた「月のようにきらきらと輝きそうな女性」が、シュウメイだったけど、この役柄がなくてもドラマはできたのかもしれない。
ただ、シュウメイがいると、篠原涼子演ずる「まえみ」薬が結構重要なので、シュウメイなしにはドラマは進まないのかもしれない。
最終回の中で、まえみが「振り向かないで聞いて(と中略)、好きだよ。これからもあたしの前を走っていて」というセリフがあったけど、この役柄の人を、もっとなんていうか葉月への思いで苦しめても良かったような気がする。
シュウメイに関しては、葉月のことは好きになったけど、自分は「中国へ帰りたい」という気持ちは変えないから、「自分は月のように輝いて、れんすけが自分のことを見つけられるように、いつまでも輝いていたい」みたいなことを言っている。
れんすけのほうももうこの時点では気持ちは固まっていて、けじめをつけるために空港へ見送りに行った。「さようならを言いに来た」って言っていたから。
ドラマって、演じる人も大事なんだけど、脚本次第でどうにでもなると思う。
今こういう内容の恋愛ドラマを作っても、あまり受けは良くないような気がする。
つまり、「木村拓哉」さんなら、どんな(できの悪い)ドラマでも、「視聴率」は取れるって思ったのだろうけれど、ほかの人を立てても同じ結果になったような気がする。
私的には、多少ひいき目はあったとしても、毎週欠かさず見ていたから、それほど悪くはなかったのだけど、正直泣けるほど感動的でもなかった。
キスシーンは、いいなと思ったんだけど。
数年前だったら多分もっと数字は出たと思う。
脚本家もある程度世の中を知っていないと、数字の取れるドラマには仕上がらないと思う。
視聴率が取れそうな「木村拓哉」さんではなくて、木村拓哉さんだからこそ、この役がいきるみたいな内容のドラマだったらと思う。
正直、「ロングバケーション」の最終回で、木村拓哉さん演じる「瀬名」がピアノを弾くシーンは、本当に感動して涙が出てしまったから。
あとから見てみると「月の恋人」にも、それなりに「名シーン」「名セリフ」はあると思うし、ドラマの展開も悪くないような気がする。
けれども、ドラマの再放送というのは、毎回同じようなものばかりで、もう見あきたのに再放送を何回も繰り返しているドラマがある。
主演している俳優ないし女優の映画の宣伝のために、わざわざ再放送をする場合もあるからね。
ドラマに出ている時の「木村拓哉」さんにはとてもひかれるものがあるのだけど、ドラマによって少しずつ違ってきていることも確か。
よく「smap×smap」で本当にあった恋の話をスマップのメンバーが女優さんたちと再現ドラなの形にしているコーナーがあるのだけど、あそこに出てくるような恋愛話の方が、リアリティがあって面白いと思う。
一話完結だっていいと思うし。連続ドラマにしようとするから難しいのだ。
実際にはないけど、あったらいいなとか、このくらいはありだと思うみたいな内容だったら、恋愛ドラマ好きに受けたかなと。
つまり「月の恋人」は、恋愛ドラマを好きな人には「イマイチ」だったのかなと。
むしろ、会社内の「権力争い」をメインにしたほうがよかったのかも。
「恋愛」の方を言い方は悪いけど、おまけみたいな感じで。
もともと自分はあまり恋愛ドラマを見ないのだけど、まあ誰が出ているかで、見る見ないを決めることもあるから。
自分の好きな俳優や女優だと、内容に関係なく最後まで見てしまうことが多いので。